+血流+

あなたがわたしに刃を入れて
初めてわたしに血が流れたの
血が暖かいものだと
生まれて初めてわたしは知った

わたしは自分の身体の一体どこで
こんなに暖かいモノを生み出しているのか
知りたくて知りたくて
自分の身体を裂いては見たけど
何処にもそこは見当たらない
そこにあるのかわたしは探す
あなたの身体も裂いてみる
見つけた、わたしの血の湧くところ
あなたの仲の、ずっと奥

あなたがわたしに血をくれた
熱く流れる血をくれた
床に滴る、この熱い血を










人は自分を上手く映し出してくれるだけではなく、自分にはなかった世界を見せてくれる。
その世界は、相手を失う事によってのみ手に入るものかも知れないけれど。
でも出会う事で、変わる事で、失う事で、少しずつ豊かになってゆく私達には、嘆く理由なんてどこにもない。






























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