+ピカシェットの家+


ここ!ここに行きたかった!ルーブルもオルセーも行きたかったけど、内心ここを一番の楽しみにしていました!
おそらくガイドにはあまり載っていないと思うので、簡単な解説を。
ピカセットというのはフランス語で食事のときに人の家を訪ね歩いては食事を恵んでもらう人、つまり物乞いの意味。
でもこの場合はその物乞いが持ている陶器のうつわや破片の事のようです(でないと意味が通じない)。
この家は、陶器の破片でできているのです。
つまり、陶器の破片をモザイク状にして壁に埋め込んでいった家、そういう事です。
しかも驚くなかれ、家具や庭、調度品もすべて、この方法で作られているのです。
作者は墓守の仕事をしていたレイモンド=イジドールという人で、22年かけてこれを完成させたそうです。
うーん、執念…。
現在は素朴は芸術として歴史的記念物に指定されているそうです。
以上、『地球の歩き方 -フランス-』からの抜粋でした。
いやー、どんなもんなのかすっごく興味がありまして、本当にもうこれを楽しみにしていたんですよー。
んで実際行ってみて。
本当すごい!行って良かった!期待全く裏切らず!!!
すんごいんですよ、本当。
全部モザイクって言うのがもう圧巻!っていう感じで。
ただただ圧倒されてしまいました。
22年もかけて作り続けたのはもちろん、22年という時間で作り上げたのもすごい、と思います。
結構ハイスピードだと思うんですけど。
本当に全部モザイクでした。壁は一部壁画でしたが。
床も天井もモザイクでも見事な模様が描かれ、イスもテーブルも食器棚もオーブンもベットも、ぜぇ〜んぶ、手作りのモザイク。
しかもそれだけじゃないんです。
ここに来て見て回ると感動します。
何にって、そのレイモンドさんの情熱に。
家の至る所には奥さんの顔、中庭には二人の結婚式の様子が描かれています。
本当に至る所にあるんですよー。
あー、この人本当に奥さんの事愛しているんだなーって感動しますよ。
それとまた、至る所に見られるキリスト教への信仰の証。
これもこれで、半端ない。
なんてったって小さいながらも礼拝堂があるくらい。
壁には大きな十字架が描かれ、その反対側の壁には聖母子像が。
中庭や通路の壁にも沢山十字架が描かれています。
しかもマリア様の顔と奥さんの顔をだぶらせているところがまた憎い。
たまらんです、すごいです。
極めつけは中庭。
十字架と、奥さんを模した聖母マリアとおぼしき女性の横顔が描かれた台座の上には、なんとシャルトルの大聖堂の模型が!
模型が!
ありえん!
まじありえない!
しかもその背後の壁にはフランスの有名な教会と思われる様々な教会の絵が!
アミアンの大聖堂と、パリのノートルダム大聖堂はわかりました。
今見れば、サンピエトロ大聖堂(ヴァチカン)が含められているか分かるのですが…。
いやもう本当にすごい。
このシャルトスの大聖堂は家の中の様々なところでモチーフにされていて、大聖堂を見てきた直後の駿河の心はかなりヤラレちまいました。
まず一番入り口よりの外壁に三つの薔薇窓を模したモザイク、同じものが中庭にもあるし、部屋の壁や天井にも描かれています。
また先小戸あげた中庭の、模型背後の壁の上の方にはシャルトルのまt里並みが描かれ、そこにもしっかり大聖堂があります。
また中庭のものほど精巧ではないですが、もう少し小振りで粗い模型が塀の上におかれていたり…。
この人は奥さんとキリスト教とこのシャルトルを心の底から本当の本当にもう愛していたんだー!とすごく感動しました。
愛ってすごい原動力なんですねー。
なんだか教会の原型を見た気がします。
キリスト教において、宗教的な様々なもの、例えば彫刻、絵画、音楽、建造物などは、原点に立ち返れば「神に捧げたもの」なんです。
つまり教会も人間たちが神への祈りを捧げる場として創造されたのではなく(もちろんそういう意味もあるのですが)、何よりも神へと捧げる人間からの感謝の贈り物なんです。
このピカシェットの家は、本当にそれをよく表していると思います。
神への愛、奥さんへの愛、自分が生まれ育った町への愛、そして限りない感謝の気持ち。
墓守なんて仕事は決して格調高いものではないし、立派な仕事でもないし、この家だって別に芸術作品として人々に鑑賞される事を目的として生まれてものではないけれど、しかしそれ故にこそ直接心に訴えかけてくるのでしょう。
本当に心があらわれるような気がした一瞬でした。
ところで注意事項を一つ。歩いて行こうとすると、結構遠いし道がよくわかりません。
駿河はガイドのおおざっぱな地図にうんうん唸りつつも、看板などをたよりになんとかたどり着く事ができましたが、自信のない方は駅から出ているバスを使うのが良いかと思います。
まぁ、迷っても楽しい町なのでそれもヨシなのでしょうが…。
結構歩いて、しかも道があっているか分からなくてちょっとウツでした。
バスを使って降りると比較的すぐです。
しかし、記憶が正しければこのバス停、ピカシェットの家のすぐ目の前にあるわけではないので、ちょっと迷う事になるかも。
しかもピカシェットの家はすごく分かりにくい場所にあります。
ぱっと見どこにあるのか分かりません。
というのも、道路に面しているのはピカシェットの家への通路で、家そのものは小さな門をくぐって花が植えられている小道を進んだ先にあるからです。
わーっかりづらっ!!
ただその通路の入り口には看板がかけられています。
歴史的記念物に指定されてます、っていう看板です。
しかしそれも白看板にずらずらとフランス語で何やら書かれているだけなので、見落としがちです。
駿河も一回スルーしました。危ない、危ない。
目印になるとしたら、入り口向かって左手が公園になっています。
それもベンチくらいしかない、公園というよりは空き地のような公園です。
そこの近くに集合住宅があったので、そこの公園なのかもしれません。
あとついでにもうひとつ。
ここ、なぜかパン屋が少ない。
つまり。メシが買えない!!
つらかったです、本当につらかったです。
全然食べ物が買えなくて、スーパーもないしパン屋もないし、通りかかったハイウェイでマクドナルドの看板を見つけて行こうとしたらあと○キロとか書かれているし!
…お弁当を持参する事をお勧めします。
ちなみにレストランもありません。
でもそれだけ苦労してでも行く価値があると思います。
ってゆーかもう一度行きたい。
いや本当、大変だったけど良いもの見たと思います。

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